“グロースハック（Growth Hack）”という言葉をご存じでしょうか。グロースハックとは、「商品・サービスを継続的に成長させられる」として関心が寄せられているマーケティング手法です。

商品・サービスを展開してすぐに成果を得られるというケースはごく少数。成果を挙げるために多くのマーケティング担当の方が苦労されているでしょう。

そこで本記事では、グロースハックについて解説します。
商品・サービスの施策についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

グロースハックとは、消費者から得たデータや市場のニーズなどを分析し、検証・改善を行って商品やサービスの問題を解決していくマーケティング手法です。

Dropbox社の創業初期のマーケティング面を支え、成長を促したとされるショーン・エリス氏が提唱し、世界中の成長企業が活用しています。

グロースハックの実践では、以下のような施策が行われます。


・市場ニーズを反映させた商品・サービスの開発
・消費者の口コミによる拡散
・データ分析による仮説・検証・改善の高速化
・商品・サービスに拡散・成長できる仕組みを埋め込む
・広告に依存しないサイト設計

グロースハックの実践で重要なのは、商品やサービスの課題を特定し、PDCAを高速回転させることです。

多くの商品やサービスがインターネット上に溢れている現在、課題を放置したままでは消費者が競合他社へ流れてしまうことが簡単に予測できます。そのため、迅速な課題分析と改良が必要となるのです。

Webマーケティングでは、LPO（Landing Page Optimization：ランディングページ最適化）・SEO（Search Engine Optimization：検索エンジン最適化）・MEO（Map Engine Optimization：地図エンジン最適化）・EFO（Entry Form Optimization：入力フォーム最適化）などを実施して、アクセス解析を行うことが一般的です。グロースハックの場合は、そこに商品やサービスを成長させ、拡散する仕組みを加えます。

Twitterの事例で見てみましょう。
Twitterでは、アクセス解析を行って、アクティブユーザーの平均的なフォロー数を調査。その結果、継続率が低いユーザーはフォロー数が少ないことをつきとめ、ユーザーにさまざまなアカウントをフォローさせるための対策を講じました。
この対策とは、新規登録後の画面に“おすすめユーザー”のリストを表示し、フォローを促すというページの改良です。結果として、アクティブなユーザー数の向上が実現したという事例があります。

このように、グロースハックには、商品・サービスの開発も含めて改善するという視点が必要です。商品・サービスのリリース時と現在で消費者のニーズが変化した場合はマーケティング販促のほか、商品・サービスそのものの改善や設計変更が求められます。

ここからは、グロースハックを実践する際のフレームワークを紹介します。

企業成長を促すために考案されたフレームワークで、以下の5つのフェーズに分けて分析していきます。

1. Acquisition（獲得）
2. Activation（活性化）
3. Retention（継続）
4. Referral（紹介）
5. Revenue（収益）

1．Acquisition
Acquisitionとは、ユーザーを獲得するフェーズです。まず、商品・サービスを周知し、自社サイトにアクセスしてもらいます。

2．Activation
Activationとは、ユーザーに認知（自社サイトへ訪問）された後、商品・サービスを利用してもらうフェーズです。サイトの会員登録といった施策で利用を促進します。

3．Retention
Retentionとは、Activationしているユーザーが継続して利用しているかを確認するフェーズです。メルマガ配信といった施策で、ユーザーに忘れられないようにします。

4．Referral
Referralとは、ユーザーがほかのユーザーに紹介するフェーズです。紹介コードの発行やインセンティブの導入などで既存ユーザーが紹介したくなるよう促します。

5．Revenue
Revenueとは、ユーザーに収益につながる行動を取ってもらうフェーズです。
1~4のフェーズを安定させることで、収益化につながります。

ECサイトでグロースハックを行う際は、課題を階層的・段階的に整理していく必要があります。グロースハックはデータ分析に重点が置かれるため、成長や改善が計測できることが前提です。ABテストやLPO、EFO、質問ページの設置といった機能改善を実施して、検証しましょう。

設計変更も改善には必要です。支払いページへの導線や、サイト全体のデザイン変更などを実施してUI（User Interface：ユーザーがの入力や操作をする際の仕組み）の向上を図ります。結果として、もっとも効果があった施策を自社サイトに実装することで、収益化につながります。

グロースハックは、データ分析に基づいた仮説検証により、商品・サービスの改善を行って、継続的な成長を促すマーケティング手法です。

従来のマーケティングとの違いは、グロースハックには商品やサービスが成長・拡散する仕組みが追加されている点です。また、ニーズに合わせてアプローチ方法を変えるのではなく、ニーズに合わせて商品・サービスの改善を行う点も、グロースハックの特徴といえます。

自社商品・サービスの改良をご検討中の場合は、今回紹介したグロースハックなどの手法を参考に、ユーザーニーズを反映させた新商品の開発などを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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